ご挨拶
滋賀医科大学
内科学講座 脳神経内科
漆谷 真
謹啓
この度、第49回臨床神経病理懇話会・第24回日本神経病理学会近畿地方会をお世話させていただくこととなりました。11月18日(土)、19日(日)の両日、滋賀医科大学にて開催いたします。実りある会となるよう、鋭意準備を進めております。
神経変性疾患にかかわる多くの異常タンパク質が判明し、さらに近年のクライオ電子顕微鏡により、その超微細構造が次々と明らかとなりました。同じタンパク質を起源とする疾患表現型の多様性の説明が可能となるとともに、より分子標的治療対象のイメージが掴めてきたという驚くべき時代を迎えています。臨床神経病理懇話会は、病理標本から疾患メッセージを読み取ろうとする方々が語り合う貴重な機会として脈々と受け継がれていますが、今日の疾患分子構造学の発展はこうした臨床神経病理学の継承に支えられていることは言うまでもありません。
今回の合同学会は、滋賀医大ならではの趣向を凝らした盛りだくさんの企画をいたしました。特別講演として和歌山県立医科大学脳神経内科学講座の伊東秀文先生よりALSを始めとする神経変性疾患の分子病理について、そして滋賀医科大学社会医学講座法医学教室の一杉正仁先生より法医学の視点から見た神経病理について講演を頂きます。愛知医科大学加齢医科学研究所 岩崎靖先生にはプリオン病の臨床・病理診断に関わる教育講演を、さらに滋賀医大神経難病研究センターの石垣診祐先生より、トランスレーショナル・リサーチの話題として神経変性疾患の霊長類モデルについての講演を頂きます。ランチョンセミナーでは東京都健康長寿医療センター 岩田淳先生よりアルツハイマー病について近年の抗体治療薬の成果を踏まえた最新のトピックについて、また東北大学脳神経内科 三須建郎先生より免疫性脳神経疾患の臨床病理のご講演を頂きます。様々な角度から臨床神経病理の懇話の場をご提供できるよう、尽力いたしますので、皆様の一般演題の登録とご参加を頂ますよう、お願い申し上げます。現地にお越しいただけない方々のためのために、ハイブリッド開催とし現地検鏡に加え、Webスライドもご利用いただけるように致しますので、是非ご参加下さい。
琵琶湖大津は11月に美しい紅葉を迎えます。学会の息抜きに琵琶湖湖畔、石山寺、坂本の散策と心のこもった美味しいお食事とご歓談をお楽しみいただきたいと思います。
歴史の交差点、近江国で皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
謹白
令和5年5月吉日
第49回臨床神経病理懇話会・第24回日本神経病理学会近畿地方会 世話人
滋賀医科大学内科学講座 脳神経内科 教授
漆谷 真